人生の中で、自分が本当にやりたいことを見つけることは、多くの人にとって大きな課題だ。「何かを頑張りたい」という思いはあるものの、人生をかけてまで打ち込めるものに出会えない人が少なくない。この状況は決して珍しいものではないが、解決策はある。今回は、やりたいことが見つからない原因とその解決策について考える。
やりたいことが見つからない原因
器用貧乏
「器用貧乏」という言葉がある。これは、様々なことを一定のレベルでこなせる人を指す。一見、多才に思えるこの特性が、実は自分の道を見つける上で障害になることがある。なぜなら、多くの選択肢があるがゆえに、どの道に進むべきか迷ってしまうからだ。
例えば、音楽も絵画もスポーツも得意な人がいるとする。この人は、どの分野でもある程度の成果を出せるため、「これだ!」と思えるものに出会いにくい傾向がある。一つのことに秀でている人と比べると、特定の分野に没頭しにくいのだ。
完璧主義
もう一つの大きな原因は、完璧主義だ。何事も完璧にやらなければならないと考える人は、新しいことに挑戦する際に大きな心理的障壁を感じる。「うまくいかないかもしれない」という不安が先立ち、結果として何も始められないという状況に陥りやすいのだ。
完璧主義者は往々にして高い基準を自分に課す。これは良質な成果を生み出す原動力になる一方で、新しいことへの挑戦を躊躇させる要因にもなる。失敗を恐れるあまり、自分の可能性を狭めてしまう危険性があるのだ。
やりたいことを見つける方法
では、このような状況を打開し、本当にやりたいことを見つけるにはどうすればよいだろうか。ここでは、2つの方法を紹介する。
消去法を活用する
選択肢が多すぎて困っている人、特に器用貧乏な傾向がある人には、消去法が非常に有効だ。消去法は以下の手順で行う。
- 自分が関心を持っているすべてのことを書き出す
- それぞれの項目に1から10の点数をつける
- 点数の低いものから順に選択肢から外していく
この方法を通じて、自分が本当に情熱を注げるものが浮かび上がってくるはずだ。また、このプロセス自体が自己分析の良い機会となり、自分の興味や価値観をより深く理解することができる。
とりあえずやってみる
完璧主義の人には、特にこの方法をお勧めする。「完璧でなければならない」という考えを一旦脇に置き、興味のあることに実際に取り組んでみることが重要だ。その際、以下の点を心に留めておく。
- 失敗を恐れない:失敗は学びの機会であり、成長の糧となる
- 小さな一歩から始める:大きな目標は小さな行動の積み重ねから生まれる
- 経験を重視する:実際にやってみなければ、本当の適性は分からない
実際に行動してみることで、自分に合っているかどうかが明確になる。もし合わないと感じたら、それはそれで貴重な気づきだ。別の選択肢を探る良いきっかけになるだろう。
直観を信じ、行動する勇気を
未知の世界に飛び込むには確かに勇気が必要だ。しかし、忘れてはいけないのは、挑戦して失敗したからといって、取り返しのつかない事態になることはめったにないということだ。むしろ、何も行動しないことのほうが、長期的には大きな機会損失となる可能性がある。
最終的には、自分の直観を信じ、行動に移すことが重要だ。内なる声に耳を傾け、それに従う勇気を持つことで、自分だけの独自の道を見つけることができるだろう。