社会には、若者に同じ苦労をさせたくない人と、同じ苦労をさせたい人がいる。この2つの考え方は、世代間の関係性や社会の進歩に対する異なる見方を反映している。私は、若者に同じ苦労をさせたい人の考え方に疑問を感じる。自分が経験した困難や苦労を、なぜ他人にも強いる必要があるのだろうか。
この考え方の背景には、いくつかの要因が考えられる。まず、「苦労は人を成長させる」という信念がある。確かに、困難を乗り越えることで得られる経験や知恵は貴重だ。しかし、それは必ずしも同じ形の苦労である必要はない。時代とともに社会は変化し、若者が直面する課題も変わっていく。過去の苦労をそのまま押し付けるのではなく、現代の文脈に即した成長の機会を提供することが重要だ。
また、「公平性」の観点から同じ苦労を求める人もいるかもしれない。自分が経験した困難を他の人も経験すべきだと考えるのだ。しかし、これは進歩的な社会の概念と相反する。社会は、先人の努力と犠牲の上に成り立ち、より良い未来を目指して発展していくものだ。若者には、過去の苦労を単に繰り返すのではなく、先人の業績を踏み台にして、さらなる高みを目指してほしい。
