問題解決の基本ステップ6段階|現状と目標の差を埋める具体策

この記事でわかること

  • 問題解決の定義:現状と目標の差を正しくつかみ、その距離を埋める一連のプロセス
  • 標準ステップの習得:明確化から実行、振り返りに至る「全6段階の手順」
  • 有効な手法の選択:状況に応じて使い分けるべき3つの代表的な分析手法

日々の暮らしや仕事の中で、思うように物事が進まずに行き詰まる瞬間がある。対人関係のすれ違い、体調の揺らぎ、あるいは金銭的な不安など、我々は常に何らかの壁に直面している。こうした状況で、場当たり的な対応を繰り返すと、根底にある原因を取り除けず、同じ悩みを抱え続ける。

停滞を打破するために必要な力が問題解決である。問題解決とは、単にトラブルを処理することではない。今の自分がおかれている状態と、こうありたいと願う姿を比べ、その間にある隔たりを埋めていく一連の道筋を指す。この道筋を整えることで、限られた時間や力をどこに注ぐべきかが明確になり、望む結果を引き寄せやすくなる。

問題の本質を捉える仕組み

問題の本質を理解するには、まず言葉の定義を正しく整える必要がある。問題とは現状と目標の差を指し、その差を埋める行いこそが問題解決である。

例えば、突然の歯痛に襲われた場面を想定する。現状は歯が痛くて何も手につかない状態であり、目標は痛みを感じず健やかに過ごせる状態である。この2つの状態を並べたときに浮かび上がる差を埋めるために、痛み止めを飲む、あるいは歯科医院へ行くといった具体的な動きが導き出される。

論理的に順序立てて進めるために、以下のステップを意識するとよい。

  1. 問題の明確化:今の状態と目指す姿を書き出し、その差を正しくつかむ。
  2. 解決策の列挙:思いつく限りの手立てを書き出す。
  3. 解決策の評価:それぞれの手立ての良い点と悪い点を比べる。
  4. 最適解の選択:最も効果が見込め、かつ今すぐ動けるものを選ぶ。
  5. 実行:選んだ手立てを実際に試す。
  6. 評価と修正:結果を確かめ、うまくいかなければやり方を変える。

最初の問題の明確化を省いて、いきなり解決策に飛びついてしまう。しかし、何が本当の困りごとなのかを突き止めないまま動くと、無駄な労力を払う結果に終わる。

手法名活用する場面特徴と進め方
ブレインストーミング解決策を列挙する段階善し悪しを判断せず、自由に案を出す。質より量を重んじる。
手段-目標分析解決策を評価・選択する段階大きな壁を小さな単位に分け、一段階ずつ目標を乗り越える。
PDCAサイクル実行と改善の段階計画、実行、評価、改善の輪を回し、質を高め続ける。

複雑な壁を崩す具体的な応用

大きな悩みほど、一度に解決しようとすると足が止まる。そこで有効なのが手段-目標分析である。これは、最終的なゴールにたどり着くために、手の届く範囲の中間目標を置く手法である。

■事例:
対人関係において、特定の人との間に心理的な距離を感じている場合。
最終目標を互いに信頼し、円滑に協力し合える関係と置く。現状との差を埋めるための邪魔が会話の少なさであれば、中間目標として1日に一度、挨拶以外の何気ない会話を交わすを設定する。これにより、いきなり深い信頼を築こうとする難しさから解放され、具体的な行動に移りやすくなる。

■考察:活用のヒント

  • 最終目標を言葉にする:どこにたどり着きたいかを紙に書き、目に見える形にする。
  • 障害を細かく分ける:何が邪魔をしているのかを書き出し、自力で動かせるものから手をつける。
  • 小さな成功を認める:中間目標を達成するたびに、前進している実感を積み重ねる。

習慣として定着させる戦略

知識として知っていても、いざ困った場面になると感情に流されてしまうのが人間である。仕組みを暮らしに組み込み、自然と体が動く状態を築くことが欠かせない。

最小単位からの開始

いきなり人生を左右するような大きな問題に取り組むのではなく、まずは机の上が散らかっている、朝起きられないといった身近な小さな困りごとから、上述のステップを当てはめる。心理的な負担を抑えることで、思考の型が身につきやすくなる。

環境の再構築

考える余裕がないときでも思考の型を思い出せるよう、スマートフォンのメモや手帳の目立つ場所に問題解決のステップを記しておく。また、問題を一人で抱え込まず、信頼できる相手に現状と目標を話す場を設けることで、客観的な視点を取り戻す仕組みを作る。

振り返りと修正のサイクル

一週間の終わりに、直面した困りごとに対してどのような手立てを講じたかを短時間で振り返る。うまくいかなかったとしても、それはそのやり方が合わなかったという1つの発見である。失敗を責めるのではなく、次の手順を整えるための材料として扱う。

まとめ

問題解決とは、現状と目標の差を埋めるための確かなプロセスである。ブレインストーミングで可能性を広げ、手段-目標分析で着実な一歩を定め、PDCAサイクルでその質を磨き上げる。この一連の流れを繰り返すことで、公私を問わず、どのような複雑な事象に対しても落ち着いて向き合えるようになる。大切なのは、解決を急ぐ前に問題を正しく定義することである。その一歩が、明日からの生活をより良い方向へと導く鍵となる。

よくある質問(FAQ)

Q. 解決策を考えても、どれが良いのか判断がつかないときはどうすればよいですか?

A. それぞれの手立てを試した際の影響を、時間、費用、精神的な負担の3つの視点で書き出してみてください。最も負担が抑えられ、かつ効果が早く出そうなものから試すのが定着の近道です。

Q. 目標そのものが自分でもよく分かっていない場合は、どう進めるべきでしょうか?

A. まずは今の嫌な状態をすべて書き出してみてください。その裏返しが、あなたが望む目標である可能性が高いです。理想の状態を完璧に描こうとせず、まずは不快でない状態を目指すことから始めてみましょう。

Q. 手順通りに進めても失敗してしまった場合、どう捉えればよいですか?

A. それは問題の定義が少しずれていたか、選んだ手立てが今の環境に適していなかっただけです。失敗は間違いではなく、次のステップをより正確にするための貴重なデータです。評価と修正のステップに戻り、別の解決策を試してみましょう。